1.口述試験の目的
【概要】
口述試験とは、いわゆる面接試験のことです。幹部候補生をはじめ自衛隊の口述試験(以下、面接)は個別面接形式で行われ、3名の面接官により約10分~20分間行ないます。面接では、言葉遣いをはじめ入室要領や態度などの外面的な観察と併せて、質問と解答の流れの中で、常識的なものの見方や考え方が確認されます。
【評価方法】
面接は、言葉遣いや態度など項目ごとに点数が配分され、その合計点に従ってA~Dまでのランクで評価され、 順に「是非、採用したい人物」、「採用したい人物」、「採用しても差支えない人物」、「採用すべきではない人物」という人物評価に区分されます。割合についてはA評価とB評価のみ占有率が定められており、Aが10%、Bが20%でそれ以外の人はほとんどC評価となります。つまり、3人に1人はAまたはB評価がもらえることなのでポイントを押さえ、練習を繰り返せば高評価を得るのはさほど難しくありません。
2.口述試験の対策
【面接の心得】
面接は好印象の積み重ねが重要です。外見からしっかりとしましょう。
【容貌】
- ひげはきちんと剃る、爪もしっかり切るようにしましょう。(無精ひげは減点)
- 自然な頭髪の色(茶髪や脱色は減点)
- 手入れをした見苦しくない髪形(オシャレを競うところでありません)
- 女性はナチュラルメイクまたはすっぴん
【服装】
- シミや汚れの付いていないアイロンのかかった制服またはリクルートスーツ
- 派手じゃない白系の運動靴もしくは磨かれた黒の皮靴
- 女性はストッキング、男性はくるぶし以上ある黒系の靴下着用
- 面接の直前には鏡の前でネクタイのゆがみやポケットのふたなどをチェック
【態度】
- 入室要領(ドアの開閉)、礼、しっかり腕を振った歩行、申告(受験番号、氏名)
- 落ち着いて折り目正しく、節度ある動作を心がけましょう。
- ドアの前にたったらグズグズせず入室、入室後はキョロキョロしないようにしましょう。
【姿勢】
- 立っているときは、常にかかとを閉じるようにしましょう。
- 正しい立姿勢 (あごを引き、背筋を伸ばします。手は体側につけ、かかとは閉じるようにします)
- 正しい座姿勢 (あごを引き、背筋を伸ばします。足は肩幅に開き、手は握って膝上に乗せます)
- 女性は膝、かかとを閉じ、手は指先を軽く組んで膝上に乗せます
【発表】
- 面接官に正対し、しっかりと目を見て話しましょう。
- 明るく、大きな声で、ハキハキと話しましょう。
- 変な口癖(えー、あのー etc)が出ないように意識して話しましょう。
【予想される質問】
【導入の段階】
- 試験会場までの交通手段や基地の印象などが質問がされます。
- その他にも、導入部分でリラックスさせるための質問がされます。
【動機の確認】
- 自衛隊を志望した動機や陸上(海上・航空)を選択した理由。
- 自衛隊のどこに魅力を感じるのか。
- 民間のパイロットは考えたことはないのか、またその理由 (一般幹部候補生飛行要員・航空学生)
- 飛行要員ではなく、一般要員で採用された場合はどうするのか (一般幹部候補生飛行要員)
【入隊後の抱負】
- 自衛官になって何をしたいか。
- どのような将来設計をしているのか。
- これまでの人生(学校等)で培った経験や特技で自衛隊に活かせるものあるのか。
【周囲の意見】
- 自衛隊を受験したことによる家族の反応はどうなのか。
- どのような点で反対をしているのか。(反対者がいると回答した場合)
【勤務地や勤務年限】
- 自衛官として何年ぐらい勤務するつもりなのか。
- 自衛官は転勤が多いが、転勤が多いことについてどう思うか。また、やっていけるか。
- 将来、親の面倒は誰が見るのか。
【志望の順序】
- 自衛隊以外の進路状況はどうなっているのか。(併願の場合は優先順位)
- 自衛隊の優先順位が1位の場合はその理由。
- 自衛隊の優先順位が2位以下の場合、第1志望が不合格になったらどうするか。
【学業・趣味・特技など】
- 学校生活で学んだことは何か。
- 好きな科目や専攻学科はあるか。
- 趣味や特技はなにか。
- ボランティア活動はしたことがあるか。また、その理由。
- 部活動や最近やっているスポーツはあるか。
【性格や自己PR】
- 長所と短所を教えて下さい。また、その理由も。
- 集団生活になるが、集団生活に適応できる自信はあるか。
- 1分程度で自己PRをしてください。
【時事問題】
- 最近、どんなニュースが気になるか。また、その理由。
- 自衛隊の海外派遣や装備品についてどう思うか。
- 自衛隊の国際平和協力活動について知っていることがあれば話してください。
3.一言アドバイス
面接は人なりを観察するものですから、端正な服装・態度と正しい言葉遣いを心がけて下さい。 また、大きな声で明るくハキハキと前向きな積極的な意見や回答、誠意と熱意をアピールして下さい。それが高評価につながります。緊張感についても適度に持ちましょう。過度な緊張は適応力のなさを感じさせ、緊張感のなさは不誠実さを感じさせます。従って、適度な緊張感をもって、真剣さと誠意を感じさせましょう。